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Prominy Hummingbird クイックガイド

Prominy Hummingbird クイックガイド

期待のアコースティックギター音源

数少ない国産のKONTAKTデベロッパーProminy社の新ライブラリ「Hummingbird」がようやく7/1に発売となりました。
この音源は前作V-METALをリリースした時から「今アコギ音源作ってるんだぜ?」っていう話自体はあったものの、なかなか具体的な情報が出てこなかったので正直存在自体忘れてたんですよね。

僕としてはアコギ音源って絶対に無いと困るものでもないんですが、なんかあると安心するというか、無駄に欲しくなる音源のひとつでして、ついこの前vstbuzzという海外のセールサイトにAcousticsampleのGD-6が$59.99で出たことが、このアコギ音源欲しいモードに拍車をかけました。

GD-6のデモを聴いてかなり感動したのですが、同じAcousticsampleでギブソンのHummingbirdというアコギをサンプルした「Sunbird」というライブラリの方が好きだなぁ〜、でもこっちは定価だしなぁ〜とウダウダ悩んで結局見送ったところに、ProminyからこのHummingbirdリリースのメール。
予約キャンペーンで少しお安くなる上に、他のProminy製品を持っている場合は更にユーザー価格で買えるということで、6/30の期限ギリギリまで悩んだあげくポチりました。

なぜProminyのHummingbirdにしたのか

先の通り、AcousticsampleのGD-6とSunbird、かねてより気になっていたVir2のACOU6TICSを比較対象として検討しました。
GD-6はそもそもセールで日本円にして約8000円弱で買えることが魅力でしたが、音の好み的には同社のSunbirdなので、買うとするなら定価$119、日本円にして約15000円なわけです。
海外のライブラリはだいたい定期的にセールをするので、Sunbird買うならブラックフライデーのある秋冬までまった方が得策と判断。
次にVir2のACOU6TICSですが、まず価格がそもそも42000円(音色が多数入っているのを考えると高くないけど)ということと、同社のエレキギター音源であるELECTRI6TYを持っていて、たぶん操作のお作法は同じなんだろうなと。
ELECTRI6TYはこだわればこだわるだけリアルに近づけるエディットができる音源なのですが、いかんせん手軽に使うにはいささか難しいんです。
おそらくそれと同じであろうと考えると、アコギでの打ち込み頻度が高いと思われるコードバッキングがやりにくいんじゃないかなと思ったわけです。

Hummingbirdは実際のコードを弾いてそれをサンプルしているらしく、なんかその変態っぷりに惚れたのと、Prominyのレガートを基本とする音源のあり方自体も好きだったのと、更にオマケとして、国産なので応援したいという気持ちもあり、結論としてHummingbirdを購入しました。

ギター音源にしては操作が結構シンプルかも?

ギター音源って、やれることが多いほど当たり前ですが操作が煩雑になります。
かと言って使いやすくてお手軽な音源だと、リアリティに欠けてしまうのでそこのバランスが難しい。
この音源は、ざっと触ってみたところ、そこのバランスがうまいこととれているんじゃないかと感じました。

とりあえずKONTAKT上のメイン画面にいろいろ説明書きを入れてみました。
QuickGuide
(クリックで拡大)

上の画像のように、まずは奏法(instrumentと呼んでますが、要はアーティキュレーションですね)を選んで、そして弾く。以上!
みたいな感じで結構リアルに鳴ります。
もちろんいろいろ細かな設定はできるのですが、奏法選択で鍵盤カチャカチャやればそれだけでそれなりに鳴るのは単純に楽しいです。

テキトーにサンプル作ってみました。


ほぼベタ打ちで、ドラムはAppleLoop、ベースはLogic付属のものを適当に鳴らしてます。

それでは、この音源の核となる2つの要素、「キースイッチ(トリガーキー)」と「奏法(instrument)」をサクッと説明します。

キースイッチについて

Hummingbirdには5つのキースイッチグループがあります。

奏法キースイッチ

画像の黒白反転部分。
その名の通り、奏法を切り替えるためのキースイッチ。
どんな奏法があるかについては後述。

プレイキー

画像の水色の部分。

ホールドキー

F1〜G1までをホールドキーといって、リリースする前にこのキーを押してからストラムキーを離すと効果がでる。

F1 指を離した時のノイズ&フレットノイズ
F#1 グリスダウン
G1 フレットノイズ&ポジション変えた時のキュッっていうノイズ

ストップキー

G#1〜A#1までをストップキーといって、このキーを押すと音を止めると同時に効果が出る。

G#1 ピッキングノイズを出しながら止める
A1 ミュートブラシノイズを出しながら止める
A#1 ストップキーと言いながらこのキーは繰り返し同じ音を出すためのトリガーキー

ストラム&アルペジオキー

画像のピンクと黄色の部分。

ストラムキー

その名の通り、ジャーンと弾くためのトリガーキー。
C2〜D#2、F#2、G#2、A#2、C#3が該当。

C2 全部の弦をダウンストロークで弾く
C#2 全部の弦をアップストロークで弾く
D2 ミュートしながらダウンストロークで弾く
D#2 ミュートしながらアップストロークで弾く
F#2 4〜6弦の低い部分だけダウンストロークで弾く
G#2 4〜6弦の低い部分だけアップストロークで弾く
A#2 1〜3弦の高い部分だけダウンストロークで弾く
C#3 1〜3弦の高い部分だけアップストロークで弾く

ノーマルキー

画像の青い部分。
ソロの場合は押さえたその音が、和音の場合はinstrumentで指定した和音が押したキーをルートにして鳴る。
instrumentで何を選択しているかでこの青い領域が変化する。

String/chord shape select key switch

画像では見えていませんが、F7〜A#7で弦とコードのポジションをセレクトできるキースイッチがあります。
単音で弾く場合はどの弦で弾くかを指定。
コードの場合はシェイプ(押さえ方)をセレクトできます。
※ここでは詳しくは割愛します。

用意されている奏法一覧

instrumentから選べる奏法の一覧です。

single note(単音奏法)

このグループの奏法は単音での演奏用でいわばソロモード的な挙動になります。

single legato slide

レガートモードでノートが重なるとスライド奏法になります。

hammer-on&pull-off / trill

基本は上と同じですが、挙動がハンマリングオンとプリングオフ、トリルに変わります。

no legato

Prominyの製品はデフォルトでレガートするのが特徴だと思うのですが、それをオフりたい場合、つまりキーを押さえてる間だけ発音するモードにします。

dyad chord(2和音奏法)

このグループの奏法は2和音(ダイアド)での演奏用でルートと何を弾くかを選べます。
以下、ルートがCで説明します。

minor2nd

CとC#

major2nd

CとD

minor3rd-dyad

CとE♭

major3rd-dyad

CとE

4th-dyad

CとF

flat5th-dyad

CとG♭

5th-dyad

CとG

#5th-dyad

CとG#

6th-dyad

CとA

7th-dyad

CとA#

maj7th-dyad

CとB

octave

Cとオクターブ上のC

chord(コード奏法)

その名の通り、選択したコードを鳴らします。
ノーマルキーの下の方ではローコード、上に行くほどフレットも上がっていきます。

選択できるコード一覧

major
minor
7th
m7
maj7
7(9)
m7(9)
maj7(9)
add9
sus4
dim7
aug
rush
7(b5)
m7(b5)
7(#5)
6th
m6th
6(9)
m6(9)
mMaj7
7(b9)
7(#9)
madd9
7sus4
dim
user chord1〜10

FX(特殊音)

ハーモニクスを始め、いろんな効果音が入っています。

natural harmonics

アコギではおなじみのポーンっていう「単音」ハーモニクス音。

FX1-harmonics

こっちはハーモニクスの効果音(全ての弦でのハーモニクスなど)。

FX2-percussions

ボディを叩いたり弦をミュートしてかき鳴らしたりのFX音。

FX3-slides

スライド系の効果音。

FX4-noise,etc.

その他、ジャカジャカと弦を握っての早いピックストローク音やノイズなど。

最後に

ざっと主に使う部分の2大要素を紹介しましたがいかがでしたでしょうか。
文字で見るとすげーメンドクサそ〜〜〜!!!!とか思うかもですが、結構簡単です。
冒頭にも書いたとおり僕はVir2のELECTRI6TYも使っていますが、それに比べればかなりお手軽な操作感だと感じました。
あと、持っているアコギ音源との比較で、Pettinhouseのライブラリと比べてですが、サンプル音自体は一長一短な気がします。
Hummingbirdは凄くキレイかつ上品な音で、一瞬チャチいかな?と思うんですけど、オケの中でのなじみ具合は良さそう。
一方、Pettinhouseの方は、サンプル自体が生々しいので、単体で聴いたらリアルな感じなんですけど、オケになじませるために結構な労力がいります。

使いやすさで言えば断然というか比較すること自体が申し訳ないくらいHummingbirdがダントツです。
とにかく何をしてもそれなりに鳴ります(←これ結構重要)。
まだ深いところまでは使い込んでないのでアレですが、今のところアコギ音源のスタンダードになるんじゃないかとさえ思える使いやすさですね。

難点を挙げるとすれば、ロードがめちゃくちゃ長いことですかね。
(ウチの環境の問題なんですが・・・USB3.0の外付けHDDで4分くらいかかりますorz)

反響次第でユーザーコードの使い方とかオプション設定でのカスタマイズとかやろうかなと思いますがいかんせんニッチな話なのでいらないかな?

ではでは〜。

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COMMENTS & TRACKBACKS

  • Comments ( 2 )
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  1. デモにつられて買ってしまいました。ネット回線が遅く(一応フレッツ光)丸一日費やしてもダウンロードできず、ProminyのGoogle Driveから落としましたが仕事が忙しくまだほとんど触っていません。操作方法、大変参考になります。
    【シーケンサー編】も楽しく拝見、私もレコポンからビジョン、いまはパフォーマーやキューベース使ってます。当時はパソコン自体が高く(Macなんか50〜60万円もした)買えないのでMSXや単体のシーケンサーを使ってました。

    • 僕はプロミニーの回し者でもなんでもないですが、そう言ってもらえると嬉しいです!
      ダウンロードめっちゃ時間かかりますよね・・・。僕の場合は深夜帯になってからかなりスムーズになりましたが。
      昔は生っぽく聴かせるのもメチャクチャ面倒でしたが、時代の進化はすごいですね。このHummingbirdにしてもかなりお手軽にリアルな音が出せますからね。
      それにしてもMSXとはまた懐かしいワードが出てきましたねw

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