ほんまかいな?
よく「挿すだけでアナログ感が出る云々〜」とかいう話をいろんなブログで見ます。
実際のアナログ機器に送って、それを戻した場合、信号が物理的に様々な回路を経由するので音が変わることは理解できますし、その音の違いもわかるんですが、なんぼ実機モデリングっつっても所詮ただのプログラムにすぎないプラグインを挿しただけで音が変化するっていうのがイマイチ意味がわからないわけです。
実機モデリングのチャンネルストリップ系や、コンソールシミュレーター系のプラグインをパラメーターなどいじらず、ただ「インサートするだけ」で音に違いが出るとか、それって先入観がもたらすプラシーボ効果なんじゃないの??という、自分の残念な耳を棚に上げてそんなことを思っておりました。
だってただ挿しただけだと実際音聴いても違いわかんないんですもん!(逆ギレ)
というわけで、ふとそんなことを思い立ち、なんとなく検証してみました。
まずは何も起動していない状態。
まあ、当たり前ですが何もないです。無の境地ですね。
次にオシレーターでサイン波1kHzのみを鳴らしている状態。
倍音の無い、THEサイン波ですね。
それではオカルト系(!?)プラグインを挿してみましょう。
以下全て初期状態でそのままインサートしただけです。
まず一番手は、waves社のNLS。
モードはSSL 4000Gのモデリングと言われる「SPIKE」モード。
おお!なんか倍音成分の突起がピュピュっと増えてますね。
お次はEMI TG12345 Mk.IVというコンソールをモデリングしているらしい「MIKE」モード。
おおお!!さらに激しく突起が増えました。低域も気持ち持ち上がってますね。
次は、NEVEの卓をモデリングしたらしい「NEVO」モード。
こちらは、おとなしめの突起ですが低域は先程のMIKEモード同様持ち上がってますね。
ん〜なるほど、確かに挿しただけでスペアナ波形の見た目はかなり変わってますね。
ちなみに、同社の超有名チャンネルストリッププラグインであるSSL E-Channelではこんな感じでした。
SSLなのでNLSでいうSPIKEモードに近いはずですが、こちらの方が倍音付加が少ないですね。
ふむふむ、なるほど前にUGさんのブログでコンプレッサープラグインのかかりの違いをサイン波使って検証されてて、すごい参考になったんでやり方をそのままパクら・・・参考にさせていただきました。
参考リンク:LOGICのテストオシレーターとアナライザーを使って各コンプの音色変化を視覚化してみる – 肩のちから抜いてけ
EQやコンプなど何かしらの処理を行わなくても「挿すだけで音が変わる」というのはこういうことだったんですね。
あいかわらず、僕のアレな耳ではスペアナが示すグラフの違いを音の違いとして認識することは出来ませんが、耳の良い人はちゃんと聴き取れるんでしょうね。うらやましい・・・。
オマケ
オシレーターを鳴らさず、ホントにただ挿しただけの状態のスペアナです。
なんと、挿してONにするだけで、なにやら得体のしれないものが発生!?
なんですかこれ!?
何にも聴こえないんですけど!?
これ病院に行ったほうがいいレベルの耳ですかね?
これが世に言うアナログ回路をモデリングした際に発生する極小ノイズなんでしょうか。
全く聞き取れないし、スペアナのレゾリューションを最大(-200dB)まで広げないと見えないんですけど、確かに何か発生しています。
wavesのSSL4000 E-ChannelとNLS各モードはほぼ同じくらいのレベルで発生してて、brainworksのbx_consoleはwaves各種より少し小さいレベルですが発生してます。
これはコンソールシミュレーター系の中でもチャンネルストリップのものしか確認できず、同じ実機モデリングでもwavesのAPI-2500や、u-heのpresswerkなどでは挿しただけではこういう現象は起こりません。
なので、何でもかんでも実機シミュレーターであれば、挿すだけで音が変わるわけではないということですね。
というわけで、スペクトラムアナライザー的には確かに挿すだけで音が変化しているということがわかりました。
まあ、こんな無駄な検証をする時間があるのなら、少しでも耳を鍛える訓練をしたほうがいいですね。はい。
耳のよしあしより、スピーカーの善し悪しの方が大きいけどね
変化がわかりにくいときはいきなり全体を聴こうとせずに低域、高域、アタック、リリースとかに分けて部分だけに集中するとやりやすいと思う。
後、音を聴こうとするよりは、おでことお腹で重心の位置と広がりを探る方が分かりやすい
特に低域の変化はお腹への響き方が変わるのでよく分かる