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DTMの過去と現在、自分流音楽理論など

DTM

iPad ProはDTMに新しい風をもたらすのか

iPad ProはDTMに新しい風をもたらすのか

せっかく春っぽい感じの暖かさになったと思ったら、突然めっちゃ寒くなって焦りますよね。
昨日の夜とか雨降ってるわ、風強いわ、めちゃ寒いわで最悪な感じでした。

さて、先日iPad ProとApple Pencilを買いました。
まあ一応お安くない買い物なので、YouTubeのレビュー動画を久々に漁って見てたんですが、どれもこれもなんかヒドいです。
新しいものを手にして嬉しいのはスゴいわかります。
いち早く自慢したい気持ちもわかります。
それはいいんです。

でもね、動画でレビューするからには見る側もそれなりの内容をやっぱり期待してしまいます。
もちろん、視聴者が何を知りたいのかなんて、エスパーでもない限りわかりませんし、ひとそれぞれ知りたい内容も違うと思うので、汎用的な内容にならざるを得ないのも致し方無い。
しかし、僕が見たレビュー動画の大半は、「こんなことできます〜」系がほとんど。

あのね、そんなもんは店頭で少しさわれば誰でもわかりますよ?
Appleの公式サイトにだってある程度のことは書いてますし。
僕が見たどの動画もメリットとデメリットをそれぞれ紹介するセオリーに則った内容にはなっているんですが、基本的には新しいおもちゃをただテンション上げて紹介しているだけの動画が多くて、しかも作りがどれも似てるんですよね、、、。
動画見て久々に反吐が出ました。

どうせゴミみたいな紹介やるんだったら、徹底的にセールス目線でジャパネットたかたよろしくな通販番組仕立てにする方がよっぽどいい。
ネットは実際に使っている人の使用感とか、ありがたい生の情報がたくさんあって、めちゃくちゃ参考になる有益なものが、こういうゴミ情報が量産されることで見つけにくくなってる現状にイラッとしたわけです。

まあ、このブログもゴミみたいなもんなので、あまり愚痴ると返ってきたブーメランで即死しかねないのでこのへんにしておきますが・・・orz

そんなわけで、生の使用感というものをなるべくお伝えしていく情報を意識した上でのメモです。

iPadに夢を抱きすぎるべからず

いきなりアレな見出しですいません。
いやね、僕自身iPad購入は初代から数えて今回で実に4台目になるんですよ。
ハッキリ言ってそれぞれ買った最初の数週間面白がって使いますが、そのあとは充電もおざなりになり、たまに使おうと思うと充電切れで面倒くさくなってまた放置。
そんなこんなでほとんどまともに活用してません。

ていうか、もう身も蓋もないですが、事の大半はスマホでいいんですよ。
スマホでできないことはPCでやればいい。

iPadの入り込む余地が正直ないんですよね。
冒頭でもクダ巻きましたけど、レビュー動画などでよく「タブレットではこんな場面でこんな風に使えるよ」的なこと言ってますが、わざわざ意識してそういう使い方をしないといけないことが多くて、iPadでないとできない事ってそうそう無いんですよ。
MacBookAirが発売されてからスタバでドヤるのが流行っている(?)みたいですが、アレもわざわざスタバに持って行って、わざわざドヤ顔しながら何かするわけですよね。
家でやればええやん、って思ってしまう僕のココロは荒んでしまっているんでしょうかね。

ちょっと話しがそれましたが、iPadってそういう端末です。
別になくても一向に困らないし、それがあるから特別便利になるわけでもない。
ただ、そういうことを全てわかった上で、しかも相当ニッチでマニアックな目線での使いようによってはヤバイ一品に化けます。

よく話題にされるPCの代替について

iPad系のレビュー動画やレビュー記事ではたいがい取り沙汰される「PCの代替になりうるか」というやつ。

んなもん、なるわけないじゃん。

以上です。

・・・ってそれではあんまりなので、もう少し掘り下げると、単純に「PCの代わりに」って言っても広すぎるわけです。
アドビ系のソフトでバリバリ処理の重いことをやる人もいれば、ブラウザでネット見て、メールの確認と返信ができればいいっていう人もいる。
僕みたいに、あれもこれもを求めるバカなのもいるし、ひたすらCUIでスクリプトを打つためだけにPCを使う人もいる。

それらのどれもが、できるといえばできる。
しかし、ただ「できる」ことと、それで「やりたい」か、それを使うことで「より便利になるか」どうかは全くもって別の次元の話です。
できるかどうかだけで論じてる時点で無意味ですよね。

で、iPad Proの話はいつ出てくるの?

そう、忘れてました!
iPad Pro買いました、の記事でした。

ここまでiPadを散々disっておいて、何があるのかって感じですが…。

先に要点だけ言っておくと、「iPad&Apple Pencil」のコンビは結構ヤバイかも知れないです。
まだ結論付けられるほど使ってないので何とも言えませんが、ようやくタブレットというものの有効な活かし方ができるレベルになった気がしてます。

さっきも言いましたが、iPad(Proはひとまず除く)でできることの大半はスマホでできます。
スマホ(iPhone)と比べてiPadの利点は「画面サイズが大きい」ことくらいです。
その裏返しに本体のサイズが大きいし、重量もスマホに比べれば重いです。
ブラウザや電子書籍が大きい画面で見られるのはもちろん大きなメリットですが、わざわざ荷物を重くしてまで得られるメリットかと言われると正直微妙。

では、自宅での使用前提で考えるとどうでしょうか。
wifi環境完備だとして、部屋が複数あって、PCが家族と共用、そんな場面ではそれなりに使い所があるかも知れませんが、この時点で結構ニッチな気がします。
これは僕の中での認識がずれてるのかも知れませんが、PCを他人と共用で使うというのがまずわからない。
仮に家族と共用のPCをリビングに置いたとしても、自分専用のものを持たないという生活がちょっと想像できないんですよね。
これは僕が特殊なんですかね。

実は世の中の大半の人がPCそのものに興味なくて、会社にあるから家にPCとか必要ないしっていう状況の方が多数派だったりするんですかね。
もしそうなら、これまでさんざんiPadイラネーって言ってきた話は全て覆りますw
そういう人にiPadは、うってつけのデバイスだと思います。

まあ、僕自身がそういう状況に無いので、ここは自分目線で行きますね。

ようやく本題です。

大は小を兼ねる

iPad Proを語る上ではこれが全てかもしれません。
とにかく画面が大きいことが最大のメリットです。
先ほどから従来のiPadに対して活用法を見つけられない無能な自分が悪いのを棚に上げつつ、結構否定的な感じの内容でした。
その大半を占める要因が「中途半端な大きさ」と「中途半端な処理能力」にあったんだと思います。

最初iPad Proの発表を見た時、Apple遂に血迷ったかな・・・と正直思ってしまいました。
あんなにデカいタブレットどこに需要あんだよ!!とか思ったんですが、同時に発売されたApple Pencilの存在と、その評判を見て、その認識はガラッと変わりました。
「タブレットデバイス」=「気軽に持ち運べるPC代替機」という概念に囚われていたのはむしろ僕自身で、そこに夢を見続けた結果、これまで数々のiPadを無駄な買い物にしてしまってたわけです。
でも、このiPad Proはハナから「気軽に持ち運べるPC代替機」という部分がサイズ的に崩されているので、最初からそこに夢を持たず、別の活用法ありきで検討できました。

というわけで今回、僕がiPad Proに期待したことは、母艦PCの拡張デバイスとしてです。
もちろんDTM用途に役立てられないか、という目線で。

どういう使い方ができるのか、についての詳細は後日まとめるとして、とりあえず下記を試してみました。

3台目の拡張モニタとして

自宅環境では30インチと17インチでデュアルモニタにしているんですが、僕の母艦であるMacBookPro2014はデフォルト状態では仕様上2枚までが限度なんです。
Appleの公式仕様を見るに「デュアルディスプレイとビデオミラーリング:本体ディスプレイで標準解像度、最大2台の外部ディスプレイで最大2,560 x 1,600ピクセル表示を同時サポート(数百万色以上対応)」ということで、クラムシェルモードで使う限りでは標準で2台までしか拡張できません。
そこにiPad Proを3枚目の拡張モニタとして追加することで、トリプルモニタ環境に。
(iPadを拡張モニタにする場合、別途アプリが必要になります)
そんなにモニタあってどうすんの!?っていう声もあるかと思いますが、DTM用途に限って言えばモニタは大いに越したことがないと思います。
デカいモニタ1枚よりも、そこそこのモニタ2枚の方が断然使いやすいです。
僕はその逆かと思って2枚からデカい1枚にしたんですが、間違いでした。
結局小さいモニタを使って2枚に戻しました。

DAWって常に出しておきたいウインドウと、切り替えて使えるウインドウがあるため、メインモニタにはDAWのメインウインドウやエディット画面、サブモニタにはミキサー画面やプラグイン画面を出しておけます。それだけで利便性が上がります。

タッチ操作可能なモニタに

そしてなんといってもiPadはタッチデバイスなので、Macの画面をタッチ操作することが可能になります。
これの利点はフェーダーやノブの操作、ピアノロールの入力、オートメーションの編集とかができることです。
しかし、従来のiPadで実際やってみるとわかりますが、指での操作はかなりイライラします。
これまでの9.6インチのiPadサイズだと、PCの画面を表示させること自体がそもそもスペック的に厳しかったり(ラグが生じる)、画面小さいので、PCインターフェイスの細かい操作を指でやるには細かすぎて難しかったり、全然タッチデバイスの良さが活きてない感じでした。

しかし、画面が大きくなって、プロセッサの性能も高いiPad Proでは、そのあたりの残念感がほぼ解消されました。
デカいことは素晴らしいと素直に思える感動があります。
さらに、普通のモニタは固定ですが、iPad Proは大きいとはいえ手元に持ってこれるので、さらに視認性と操作性、両方がプラスに働きます。

Apple Pencilがヤバい

指での操作も普通にできちゃう感じにまでなっている上に、さらにApple Pencilでの操作性がそれに輪をかけます。
フェーダーやノブの操作はまあ指でも全然イケる感じですが、流石にピアノロールのエディットになると、流石に指ではキツイです。
すごい画面を拡大したりしてできないことはないんですが、わざわざそこまでする意味がありません。
でも、Apple Pencilだと、細かい操作も全然できます。
いや、ピアノロールに音を置いていくようなエディットの場合はむしろマウスでポチポチやるより断然やりやすいです。
これは意外でした。
マウス(もしくはトラックボール)とキーボードショートカットを上回る操作性なんてあるわけないと思っていたので、棚ボタ状態です。
オートメーションのエディットもびっくりするぐらいやりやすくなりました。
ていうか、iPad Proがどうのというよりも、Apple Pencilがヤバいです。
なんでしょう、この反応速度w

これら3つが相まってなんかスゴイ感じ

それぞれの利点は別にiPad Proでなくても可能ですし、特にドヤ顔なものでもありません。
でもこの3つ全部が合体するとなんかビックリするレベル感になります。
あれ?タブレットってめっちゃ便利やん!?ってこれまでの認識がペロっと塗り替わる感じです。
で、結局とどのつまり、「デカいってのは素晴らしい」に収束します。
大は小をを兼ねるというのを身をもって知る瞬間です。

いったんまとめ

僕がiPad Proを購入した動機はすごくしょうもなくて、Apple Pencilを試してみたいっていうのと、KORG gadgetを大きい画面で使ってみたいということでした。
それだけにこの金額(両方合わせて約13万強)を出すのは酔狂としか言えませんが、なんか新しい使い方とか発見できないかなーっていう探究心というか好奇心というか、そういうので満たされたりするのでいいかなと。

ですが、実用面で購入を考えている人は、とりあえず良く検討されたほうがいいと思います。
ポイントは2つですね。

・母艦Macをメインにしつつ、それを補強する形で導入をするかどうか
・屋外への持ち出しを軸に考えなくていいかどうか

これらが両方YESならば買って問題なしと思います。
逆に、PCの代わりにしたいとかで買おうと思っている人は買わないほうがいいかも知れません。
結局PCの代わりにはならないので、もう少し出してPCを買ったほうが有益でしょう。

あと迷いどころは絵かきさんですね。
僕はお絵かき用途ではそもそも考えていなかったため、その辺はよくわかりません。
でも、adobeのCCアプリ群はひととおりインストールして使ってみましたが、かなりさくさく動きますし、iPad Pro & Apple Pencilにもほとんどが完全対応してます。
いろいろ試しで使ってみて感動したのが、Photoshop Sketchというアプリの水彩の表現!
Apple Pencilならではでは全然ありませんが、水彩の筆で描くとじわじわ染みだす感じとか、重ねた部分の絵の具の混じりあう感じとか、めっちゃリアルなんですよ!
絵描きじゃない僕でも、「ちょっとこれで絵描いてみたいな」って思わせる感動がありました。
それと、鉛筆でのデッサン持ち(鉛筆寝かせて広い面を描く持ち方)とかできるってちょっと意味わからないですよね。

素人目ではまあスゲーってなるんですけど、絵師さん的にPCでの環境をリプレイスできるだけのものかどうか、流石にそこはわからんですね。
液タブ代わりとしての使い方は実際できます。でも、反応具合がガチ絵師さんの求めるレベルかどうか。
その辺は実際に店頭で触って判断してみてください。

そうそう、DTMアプリですが、KORG gadgetとCUBASISとFLstudio mobileとiMASCHINE2を持ってるのでいろいろ遊んでみました。
このへんの使い勝手とかはちょっと長くなりそうなので別の機会に回します。

結局のところどうなんだよ!って感じの内容になってしまいましたが、僕的には今のところ13万の価値を見出だせそうな気配を感じてます。
まだオススメ!とまで言えませんが、DTMアイテム的に面白い使い方ができるかもなので、もう少し使い込んでみます。

ではでは。

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